「教派神道」研究会(仮)

おおむね近代神道・神道教団について

國學院大學博物館特集展示「教派神道の創始者たち」雑感

本年2022年は、8月31日から10月16日まで國學院大學物館で特集展示「教派神道創始者たち」が開催されていました。
この展示は、いわゆる神道十三派のうち、2022年の六教派(出雲大社教・扶桑教・実行教・御嶽教神習教神道大成教)特立140年を記念したもので、9月29日には神道六教派勅裁特立百四十年記念式典」も開催されたようです。
國學院大學博物館では、2015年度から教派神道連合会と共催で教派神道連合会が主催し國學院大學で実施する神道講座に関連して、同様のミニ展示を実施してきました。神道大成教教派神道合会に加盟していないためか、今回は教派神道連合会は外れ、國學院大學博物館の主催、六教派の協力という形で開催されています。

私のメモに残る限り、出品資料はつぎのとおりです。
出雲大社教
千家尊福『神語』
『日拝式』
扶桑教
『神訓』
「盟約書」
・実行教
『教訓謡集』草稿及び出版願と現行冊子
御嶽教
覚明霊神御鈴
覚明霊神観音
神習教
『宇宙之精神』明治39年
『宇宙之精神』平成6年版
参考出品:佐佐木高行旧蔵1906年
神道大成教
平山省斎『修道真法』1912 明治18述(河野文庫)
平山省斎『本教真訣』1882

展示タイトルが示すとおり「創始者たち」が残した物が概ね2点ずつ展示されていたことになります。
いずれも創始者たちの教えを記したもの、かつそれがその後も引き続き教派において重要な位置を占めているものである点が興味深い点だと思います(御嶽教は例外ですが)。
同じ版を用いて百年以上増刷を続けている神習教の『宇宙之精神』創始者が作り今も信者が日々唱え続けている出雲大社教の『日拝式』や実行教の『教訓謡集』など、創始者の思いと生きている信仰の一端を垣間見ることができ、大変面白く感じました。
私は『日拝式』も『教訓謡集』も古い版を所持しているんですが、こうした並べ方で見ると見え方が違いますね。

皇典講究所を母体とする國學院大學神宮皇學館を母体とする皇學館大学も140年です。:学校法人 皇學館『伊勢と皇學館の140年』(えにし書房、2022

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