特集展示「教派神道の祭祀と行」國學院大學博物館
國學院大學博物館神道展示室にて、特集展示「教派神道の祭祀と行」が令和6年6月23日まで開催されています。
これは教派神道連合会共催のミニ展示です。教派神道連合会が主催し國學院大學に委託していた神道講座が、1967年に第16回からの中断を経て2015年に再開したことから、それにあわせて毎年開催されています。
これまで毎年次のようなテーマで各教派から資料を集めて、展示が開催されてきました。
2015「教派神道の教祖と儀礼」
2016「登拝と行」
2017「教派神道の教祖(創始者)たち」
2018「教派神道と皇典講究所・國學院大學」
2019「三条教則と教派神道」
2022「教派神道の創始者たち」
2023 企画展「祓-儀礼と思想-」の一部
2024「教派神道の祭祀と行」
教派神道連合会の加盟教派は12ありますが、どの回も全ての教派の資料が並ぶわけではなく、テーマによってさまざまな組み合わせで教派が選択されているようです。
今年は修成派と金光教を除く9教派の資料が並んでいるのを、見学してきました。
展示目録なども作成されていないので、見学の感想としてざっと思い出すままに挙げておきましょう。
御嶽教 登拝装束
扶桑教 登拝時の鈴、御伝え(経本)
神理教 十種神宝、神符ほか呪い占い関係資料
大本 歌祭装束
神道大教 教団作成の祭式行事作法教本
黒住教 祝詞集
神習教 大正期の神前結婚式テキスト
禊教 沼部春友『神道祭式の基礎作法』みそぎ文化会
実行教 『実行教神拝御恩禮詞』
装束や祭祀・祈祷に使う立体のものと、教本や祝詞などの平たいテキスト類で構成されています。
そのもの自体の作られた時期はまちまちですが、いずれも現在まさに用いられているもので、各教派の今のあり方の一端を伺うことができます。時代に合わせて修正を加えているという神道大教の祭式作法や大正期に著されて現代まで受け継がれているという神習教の結婚式祭式など、時代と祭祀の関係もそれぞれで非常に面白く拝見しました。
かなり世間の興味をひいているようで、國學院大學博物館の旧Twitter(現X)アカウントが告知ポストをしたところ、8.8万回表示1300を超えるいいねを集めています。それだけ教派神道について知りたいというニーズがあるということでしょう。
とはいえ、3mくらいの壁面ケース2面と1.2mとかの覗きケース2面しかないので、ほとんど一教派1点です。「これで教派神道を勉強するぞ」と思うと肩透かしと感じるでしょう。
しかしながら、上に書いたように毎年開催されていますから、ぜひ毎年ご覧になっていただきたいものです。