『史学雑誌』133編 5号 (2024.6)が刊行されました。もちろんブログ管理人は史学会の会員ではありませんから、その辺の本屋や図書館で見ました。
さて昨年は、教派神道研究は「2022年歴史学界回顧と展望」にどれだけ載ったか- 「教派神道」研究会(仮)
https://kyohashinto.hatenablog.jp/entry/2023/07/01/100000
というエントリーをあげていました。
今回はその最新版「2023年歴史学界回顧と展望」特集号を見てみようという趣向です。
関連しそうな論文は近現代の「思想」と「宗教」に取り上げられているようです。
昨年に続き図書館の立ち読みなので溢れていたらご容赦。
まずは平田篤胤関係の論集の刊行が続きましたので、そこでのものですね。一つは山下久夫・斎藤英喜編 『平田篤胤 狂信から共振へ』(法藏館、2023)、もう一つは『現代思想2023年12月臨時増刊号 総特集=平田篤胤』(青土社、2023)です。どちらも「思想」「宗教」の項で取り上げられていて、存在の大きさを感じさせます。
また、個別の論文としては木村悠之介「新神道とは何であったか−メディア排宗教運動としての雑誌『日本主義』」『國學院大學研究開発推進機構紀要』第15号(國學院大學研究開発推進機構、2023)が注目されるところです。
その他、下村育世「 奈良弘暦者・吉川家の近代−陰陽師の身分喪失と暦師の家業継続」『国立歴史民俗博物館研究報告』240号(2023)も多分こんご教派神道・近代神道に関連して興味深いお仕事だと思います。他にも武田幸也「近代の神宮大麻理解」『神社本庁総合研究所紀要』第28号(2023)や藤本頼生「「国家ノ宗祀」の解釈と変遷について」『神社本庁総合研究所紀要第28号(2023)など近代神道史的に重要っぽい論文も紹介されていました。
ブログ管理人も2023年には宗教史・神道史に関わる論文を書いていて、別に「回顧と展望」に取り上げられるようなクオリティの論文ではなかったということなんですが、ここはひとつ「エポックメイキングな論文だったが史学雑誌がどこに分類すべきか分からなかったために埋もれてしまった」と思い込んで、今年度も張り切って参りたいと思います。